子守唄研究室
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ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信63号
日付:2013/8/24(土)

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 ねんねこ通信 63号  2013.8    http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●太鼓と笛

●鳥取県の子守唄

●コラム−山岳信仰と投入堂 

●編集後記
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◆太鼓と笛
 夏から秋にかけて、日本各地でお祭りなどのイベントが多く開催されます。仲間と
の会話の中で「祭囃子の太鼓の音がうるさいからやめて欲しいと言う苦情が出てきて
いる。以前は考えられなかったことよね」と。
そのことで思い出したのですが、夏休みの子ども会の工作を何にするか話し合って
いた時「音の出るものはだめなのよ。子どもが自分たちの作ったもので遊んでいたら
「うるさい!」って叱られてショックを受けたって親から報告があったから」風評は
あったのですが、事実を目の当たりにすると、私もショックでした。笛や太鼓奏でる
祭囃子が聞こえ、お神輿をかつぐ掛け声がうるさく感じられる人がいるのは分かりま
すが、苦情を言うほどのことなのかと考えさせられてしまいました。風鈴の音もうる
さく感じる人もいる世の中になっていますから、例え2〜3日のことでも祭囃子は
「騒音」で、我慢できないのでしょう。
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◆ 鳥取県の子守唄

ねんねんねんね
 ねんね子守はどこ行った
 山越えて里に行った
 里のみやげになにもろた
 でんでん太鼓に笙の笛
 ※江戸子守唄の類唄です。この地方からも薬売りなどの行商人が江戸まで出かけて
  いたことが分かります。

 次郎や太郎や どこへ馬つないだ
 南蛮畑(ばんばんばたけ)の木につないだ
 なに食わしてつないだ わら食わしてつないだ
 わらの中見れば 小さい小袖が三つ三つ
 三つんなる小僧が お寺から下りてきて
 なに着ゅぅとおっしゃる 袴あ着ゅぅとおっしゃる
 袴のすそに 何型つきょぅやら
 熟柿(じゅくし) まぐれ 里柿
 はんなの枝に すずめが一羽 からすが一羽 とびが一羽
 すずめはチュンチュン チュンのもの
 からすはカアカア カンのもの
 とびは熊野の鉦(かね)たたき 鉦たたき
 ※ほかの唄では、からすの首はいがんだ首で、とびの首はねじりあがった首とも唄
  っています。似たような唄はほかの県にも見られますが、手まり唄として分類さ
  れてもいます。

 ゆうべ生まれた坊主子が 納戸の唐紙あけて出て
 じいさんばあさん 泣かしゃんな
 おれが十五になったれば この山崩(こず)いて堂建てて
 堂のぐるりにごままいて ごまは仏のきらいもの
 油は仏のおみあかし おもあかし
 堂のぐるりに松植えて 松の梢に鈴つけて
 鈴がチャンチャン鳴るときは 爺さん婆さんうれしかろう
 ※貧しい家なのでしょうか。親孝行ではなく爺婆に向かって言っているようです。
  しかし、お堂を建て松を植え、その梢につけた鈴の音を聞いている爺婆は健在だ
  ったのでしょうか。短命であった昔、仏様になっていたかもしれません。

 ねんねんやあ なくないや
 泣くとお鷹に噛ませると
 泣くなというたら泣くないや
 雪やこおこお霜やこおこお
 大山おやまの雪ころころや
 ※よく唄われる脅しの文句です。

 ねんねこねんねこねんねこや
 あちら向いてもやあま(山)やま
 こちらを向いてもやあまやま
 やまの中になにがある
 椎(しい)やどんぐりかあや(榧)の実
 ※山奥の様子が唄われています。木の実は大事な食料でもありました。

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◆コラム−山岳信仰と投入堂
 鳥取県の名前の由来は諸説ありますが、昔、今の鳥取市の付近は湖や沼が多く、生
息している水鳥を取ることを仕事としている人たちが住んでいたことから「鳥取」と
呼ぶようになったといわれています。
 また霊峰「大山」「三徳山」は、山岳信仰と仏教が習合した独特の宗教で知られて
います。三徳山中腹に建つ三佛寺・投入堂は、垂直に切り立った絶壁の窪みに建てら
れた他に類を見ない建造物で、国宝に指定されています。寺伝によれば706年に役
(えん)の行者が法力を持って岩窟に投入れ建立したと伝えられています。伝説では
その行者は修験道の祖「役小角(えんのおづぬ)」だといわれています。
役行者は不思議な力を駆使して空や野山を駆け巡り、鬼神を自在に操った人とされ、
偉大な修行者、修験道の祖として崇められてきた存在です。

 投入堂はいつかは行ってみたい所でしたが、案内によれば登山者心得が色々あり、
体力的にも無理だと分かりました。修行道ですから・・・。
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◆編集後記
 連日35度をこえる猛暑が続いています。屋上で咲く朝顔も熱帯夜には勝てず、こ
のところ蕾のままでしおれてしまい、咲ききることが出来ないようです。就寝中に熱
中症で亡くなるニュースも聞かれます。私も注意しなければと自覚させられました。

 イギリスの皇室に新しい命が誕生しました。しばらくはキャサリン妃の実家に帰っ
て子育てするそうです。母体を休めるには一番良いことだと思います。皇室の英断で
すね。彼が国王になる頃、世界情勢はどのようになっているのでしょうか。
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