子守唄研究室
研究室へようこそねんねこ通信子守唄リンク集
研究リポート書き込み掲示板TOPページへ
ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信56号
日付:2012/6/24(日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ねんねこ通信 56号  2012.6    http://komoriuta.cside.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎目次

●生活保護って・・・?

●滋賀県の子守唄

●コラム−近江八景と琵琶湖八景

●編集後記

============================================================================
◆生活保護って・・・?
 日本国憲法第25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利
を有する」「国は、すべての生活部面について、社会保障及び公衆衛生の向上及び増
進に努めなければならない」とあります。国民には権利があり、国は努力義務がある
のです。生活保護制度で受けられる扶助は、生活扶助を基本に住宅・教育・医療・介
護・出産・生業・葬祭扶助があり、医療と介護は本人負担はありません。
 真面目に働いて年金を払い続けて、受け取る年金額よりも多いことがあります。例
えば、若い夫婦と子ども1人の3人世帯で東京都の場合、1ヶ月約17万円、単身高
齢者では約8万円が基準額です(今年4月1日現在)。金額が妥当かどうかは人それ
ぞれの考えがあると思いますが『健康で文化的な最低限度の生活』とは、どのような
生活を想定しているのでしょうか。昭和38年に厚生省社会局長通達に、その実施要
領が出されています。それから半世紀たった今、世の中はずいぶん変わっていると思
うのですが・・・。
============================================================================
◆ 滋賀県の子守唄
 
 ねんねころいち 竹馬のよいち 竹にもたれてねんねしゃれ ねんねしゃれェ−
 P田の唐橋 唐金擬宝珠 水に映えるは 膳所の城 膳所の城ォ−
 この子よい子や 卵に目鼻 この子育てた 親見たい 親見たいィ−
 ねんねねんねん 寝た子はかわい 起きて泣く子は 面にくい 面にくいィ−
  
 ねんねころいち 竹のまのよいち 竹をたばねて舟に積む 舟に積む
 舟に積んだり くだいてみたり 落ちる涙が道の露 道の露
 ねんねしてくれ 寝た子はかわい 起きて泣く子は面にくい 面にくい
 ねんね眠たい 姉さんと寝たい 姉が侭なら寝さすのに 寝さすのに
 会いたい見たさは 飛び立つ様でも 籠の鳥かよ情けない 情けない
 ねんねしてくれと 頼む子は寝んと 誰も頼まん子が寝やる 子が寝やる
 来ては泣き来ては泣き われの様に泣くと 
                    わしの身やかてどこで立つ どこで立つ
 思い出しては また来ておくれ 鳥も枯れ木にゃ二度とまる 二度とまる
 鳥は枯れ木に 二度止まるけど 花は枯れ木に二度咲かん  二度咲かん  
 ねんねしてくれ まだ夜は明けん 明けりゃお寺の鐘が鳴る 鐘が鳴る

「ねんねころいち・・・」の唄は千葉県や熊本県にまで伝播しています。前号で挙
げた「天満の市」より先に広まっていたようで、「竹馬のよいち」を元歌として「天
満の市」が作られたのではないかと考えられます。

 かんかん堂のお宮さま お猿が三匹飛んできて
 先のお猿も物知らず あとのお猿の物知らず
 いっちの中の小猿が よう物知って
 鯰川へ飛び込んで 鯰一匹奮踏んまえて
 手々で取るのもかわいそう あいや(足)で取るのもかわいそう
 おしゃもの欠けが流れてきたで それで取って奥の間へ持ってって
 チャクチャクチャクときざんで あなたにも一菜 こなたにも一菜
 嫁のが足らいで けんかができて けんかの中で
 お芋たいてやろうか おかぼ(かぼちゃ)たいてやろうか
 芋もおかぼも そんなものいらん 
 そんなら出てけ なに履いて出てこ
 お爺さんのかんかん(下駄)片っ方と お婆さんのかんかん片っ方と
 履いて出てけ どっから出てこ 裏から出てけ
 裏にお馬がおって怖いわ 窓から出てけ 窓に竹の筒があったれば
 踏み破ってみようか 踏み破ってみようか
 踏み破ってみたら 赤いおべべが十二枚 白いおべべが十二枚
 だれに着せよか 太郎に着せよか 次郎に着せよか
 太郎に着せると次郎が怒るし 寺のおぼんのお稚児に着せて
 馬ハイコ乗せて あっちの方へコロコロ こっちの方へコロコロ
 あんまりコロついて 小麦団子落とした ひばりが見つけて とんびにやった 
 からすカアカとくやしがる とんびは遠くへ飛んでった
 
 これは遊ばせ唄です。物語り風の長い唄なので、聞いている幼児は終わりまで聞か
ずに眠ってしまったことでしょう。

 ねんねする子にやりたいものは−ァ 針や鋏や 絹糸や−ァ
 ねんねしてくれ寝る子はかわい−ィ 起きて泣く子は面にくい−ィ
 よい娘嫁入りする悪い娘は残る−ゥ 嫁入りせん娘はわし一人−ィ
 いくら飲まいでも今夜の酒は−ァ  飲んで喜ぶ親たちが−ァ
 この子よう泣く泣かん子欲しや−ァ よその泣かん子と替えてこい−ィ
 泣くな一太郎泣かすな二太郎−ォ  泣かすまいとの三のオリ−ィ
 啼くなにわとりまだ夜が明かん−ン 明けりゃお寺の鐘が鳴る−ゥ
 うちのこの子に着せたい着物−ォ  背中牡丹ですそ柳−ィ
 祭きたとてなに楽しもや−ャ    貧乏親もちゃ腹がたつ−ッ
 眠たがる子を寝させもせずに−ィ  夜なべさす身のかわいさよ−ォ
 わしりゃこうしてこうせにゃ食えん−ン だれも養うてくれやせぬ−ゥ

 この子よう泣く泣かん子もあるに もちと泣かん子と替えてほし 替えてほし
 子ォがかわいけりゃ良い傘おくれ 破れ傘では子がぬれる
 この子これだけよう泣くせがむ お乳足らぬか乳ばなれか 乳ばなれか
 お乳たくさんありますけれど この子これだけ性が悪い 性が悪い
 性の悪いのはまな板の上で きざみきざむようにぎざぎざと ぎざぎざと
 きざみきざんでお醤油をかけて 親に見せたら血の涙 血の涙
 今の守り子はコイコイ習て 男呼ぶのも来い来いと コーィコーィ

 守りもいやいや冬期の守りは 雪の中でも出んやならん
 雪の中でも出りゃこそ仕着せ 守りの仕着せは渡す織り
 守りの仕着せは織ではいやや 小判重ねて金でくれ
 
 上の三つの唄は守り子唄です。幼い子守りにとって泣く子の世話は大変だったでし
ょう。「性の悪い子はまな板の上できざんでしまうよ」と唄っていますが、本気で思
ったのではなく、辛い思いを昇華させる言葉と捉えられます。どの時代でも子守りの
給金は食い扶持とお仕着せでしたが、時が経つに連れて「現金」を要求するようにな
ってきたのでしょう。「小判重ねて金でくれ」です。
============================================================================
◆コラム−近江八景と琵琶湖八景
 日本最大の湖・琵琶湖の美しさは昔から絵画や文学などの題材になっています。浮
世絵師の安藤広重の絵で有名な近江八景は、室町時代に中国湖南省にある洞庭湖の八
景にちなんで選ばれたと伝えられています。「比良の暮雪」「堅田の落雁」「唐崎の
夜雨」「三井の晩鐘」「粟津の晴嵐」「矢橋の帰帆」「P田の夕照」「石山の秋月」
が近江八景ですが、琵琶湖全体の風景を広く紹介するために琵琶湖八景が選ばれまし
た。「暁霧−海津大崎の岩礁」「涼風−雄松崎の白汀」「煙雨−比叡の樹林」「夕陽
−P田石山の清流」「新雪−賎ヶ岳の大観」「深緑−竹生島の沈影」「月明−彦根の
古城」「春色−安土八幡の水郷」です。
 これらの八景を、季節や時間などタイミングよく体験するには相当の日にちが必要
でしょうが、歴史をたどりながら歩いてみたいと思いました。
============================================================================
◆編集後記
 6月には珍しい台風が関東を直撃しました。少し色付いてきたトマトでしたが、大
きな枝が折れてしまいました。実がが沢山ついていたので重かったのでしょう。4月
に蒔いた朝顔と夕顔は、しっかりとネットにからみついていたので無事でした。

 私たちが選挙で選んだ国会議員なのですが、今の状況をを見ていると、私達の判断
が間違っていたと反省しています。国民のことを考えているとは口先だけで、自分の
身の安全しか考えていないとしか思えないのです。言葉の裏にある真実を見抜ける力
をもっと培って、次の選挙に備えたいと思っています。
============================================================================
このメールの配信を今後希望されない方は、お手数ですが、次のURLから配信中止の
手続きをお願いします。
http://komoriuta.cside.com/nenneko/koudoku.html
----------------------------------------------------------------------------
●子守唄研究室

・ホームページアドレス
http://komoriuta.cside.com/
・メールアドレス
komoriuta@cside.com

============================================================================

<<次の号 前の号>>


戻る