子守唄研究室
研究室へようこそねんねこ通信子守唄リンク集
研究リポート書き込み掲示板TOPページへ
ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信35号
日付:2008/12/27(土)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ねんねこ通信 35号  2008.12    http://komoriuta.cside.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎目次

●今年の漢字−変−

●神奈川県の子守唄

●コラム−スワンタッチ(はさみ変え不要のしおり)

●編集後記

============================================================================
◆今年の漢字−変−
 人は一生のうちで多くの出来事にあい、また体験します。山あり谷ありと良い事も
悪い事も、楽しんだり嘆いたりしながら暮らしています。
 あの東京タワーも12月23日に50周年を迎えたとの事です。風雨に晒されなが
ら、世の中の移り変わりを眺めてきたことでしょう。ライトアップされた風景は孤高
の美しさを感じます。
 その東京タワーも、今日の社会を見てどんな感想を持つでしょうか。社会がこれほ
どまで荒れてしまって、人間の心は病んでしまいました。そうとでも思わなければ理
解できないほど、政治も経済も教育もどこか変です。今年を表す漢字がこの「変」で
あることは、まさに言いえて妙です。
 アメリカの次期大統領のオバマ氏は「チェンジ」を合言葉に、これからどのような
政策を実行していくのでしょうか。このプラス思考の「チェンジ(変化・変革)」が
起きることを、世界中が待ち望んでいます。
============================================================================
◆神奈川県の子守唄
 
 「いか採り舟のうた」
 沖に見えるは いか採り舟か
  さぞや寒かろよ 冷たかろ ヨーイヨイ
 嫁に行くなら 西町はおよし
  のぼりくだりのよ 水かつぎ ヨーイヨイ
 早く日が暮れ はや夜が明けて
  三月二日かよ 来ればよい ヨーイヨイ
 三月二日も 近寄りました
  旦那おかみさんもよ お世話さま ヨーイヨイ
 お世話さまとは 言いたいけれど
  長々みじめによ あいました ヨーイヨイ
 子守り叱んなんな 子守りはだいじ
  子守り叱ればよ 子にあたる ヨーイヨイ
 子守りゃ楽なようで してみりゃつらい
  子守り叱ればよ 子にあたる ヨーイヨイ  (逗子市小坪)
 いか採りの沖の漁火を見ながら子守りをしたことから、このような題がついている
ということで、この地区だけの題名だそうです。その昔、西町地区には井戸が一つし
かなかったので早朝からの水汲みは嫁の仕事でした。そんな苦労を娘にはさせたくな
いという親心もあったのでしょう。また三月三日の雛祭りには、里帰りが許されてい
ました。奉公人(子守りも)の年季明けは三月二日でした。

 ねんねんねこ島の金五郎おとめ
 おとめ大きくなれば江戸にやる
 お江戸十八里は縮緬育ち
 田舎じゃらんらん紺屋染
 なにが不足でお泣きゃるの
 なにも不足はないけれど
 小袖の褄に血がとんで
 もんでももんでも落ちませぬ
 井細田(いさいだ)の紺屋へ
 井細田の紺屋じゃ受け取らぬ
 お江戸の紺屋にやったらば
 お型はなんとつけましょう
 お型は子の名につけとくれ

 ねんねんこじまのぎんがらおとめ
 おとめでっかくなりゃ江戸へやる
 江戸はちんちん縮緬づくり
 田舎は菜種のしら絞り

 江戸は上等(縮緬)の着物、田舎はみすぼらしい着物という表現は各地の類歌に見
られます。江戸に遷都されてから社会の動きが変わり、憧れの都市も東京になったの
でしょう。もし京都のままだったら、これらの歌詞も違っていたでしょう。

 ねんねんよう おねんねよ
 坊やねた時ゃどこへねかしょ
 八畳屋敷のまんなかへ
 松が三本 杉三本
 合わせて六本 五葉の松

 ねんねんねごろの高野の山へ
 誰が植えたか 五葉の松
 
 内容のある歌詞ではないのですが、この「五葉の松」も多く出てきます。松は常緑
樹で大きくなると建材に使われたりします。松竹梅という格付けでも、松が一番上で
すし語呂もいいので、しめの言葉として使われているのだと思います。木にまつわる
話の一つに、女の子が生まれたら桐の木を植えて、お嫁に行く時にそれでタンスを作
って持たせる、という言い伝えもあります。

 神奈川県といえば横浜や横須賀などの港があり、早くから西洋文化の影響を受けて
いたのではないかと思っていたのですが、先輩諸氏が採集した中には見つけることが
出来ませんでした。

 どっこい丼鉢ゃ 落とせば割れる
 姉(あね)さん島田で 寝てわれる ヨーオヨイヨイ
 ヨイヨイ横浜 明るくなれば
 うちの街道は 暗くなる ヨーオヨイヨイ

============================================================================
◆コラム−スワンタッチ(はさみ変え不要のしおり)
 読書の秋と言われる時期は過ぎてしまいましたが、年末年始の忙しい時でも「忙中
閑あり」と大掃除で見つけた読みかけの本を開いてみてはいかがでしょうか。
 
 ちょっと個性的な白鳥が、その長い首とくちばしを使って読み開くページを追って
くれるのです。「早く読んでくださいよ」と催促しているかのようにも見えますが、
その動きを見ていると、読み進んでいくのが楽しくなります。どんなものか先ず手に
とって試してみてください。

 ワークセンターはばたきで制作、赤塚福祉園(知的障がい者通所授産施設)で販売
しています。色は黒・赤・青・黄・緑の5色です。1枚157円(消費税込み)
 問合せ先 板橋区立赤塚福祉園 電話03−5383−5741 です。

============================================================================
◆編集後記
 今年もあと数日を残すだけになりました。世界的な経済の混沌は、その発生元が何
であったのかさえ分からなくしてしまいそうです。日本の政界の頼りなさは言葉にな
りません。本当に国民のことを考えているのならば、政党間の駆け引きなどはやめて
自らの身を下野して欲しいものです。それでもまだ足りないとは思いますが・・・。
 来る年には少しの光明が見られることを祈りつつ・・・。
============================================================================
このメールの配信を今後希望されない方は、お手数ですが、次のURLから配信中止の
手続きをお願いします。
http://komoriuta.cside.com/nenneko/koudoku.html
----------------------------------------------------------------------------
●子守唄研究室

・ホームページアドレス
http://komoriuta.cside.com/
・メールアドレス
komoriuta@cside.com

============================================================================

<<次の号 前の号>>


戻る