子守唄研究室
研究室へようこそねんねこ通信子守唄リンク集
研究リポート書き込み掲示板TOPページへ
ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信18号
日付:2006/1/3(火)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ねんねこ通信 18号  2006.1    http://komoriuta.cside.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎目次

●いま、なぜ「食育」

●子守唄にみえる食生活

●コラム--雨音

●編集後記

============================================================================
◆いま、なぜ「食育」
 昨年の7月に「食育基本法」が施行されました。国は「食」を個人の問題とせず、
社会全体の問題として捉えて、国民運動として推進するそうです。
 子守唄に歌われている食べ物は、良い子にねんねしたら「ご飯と魚」をあげるよと
か、お目ざに「ぼたもち」を作っておいてあげようと言った素朴な物ばかりです。
 竹田の子守唄には「久世の大根めし 吉祥の菜めし またも竹田のもんぱめし」と
あります。「菜めし」は大根の葉を乾燥した干し葉を切り刻んでまぜたご飯で、「も
んぱめし」は米に豆腐のオカラをまぜたご飯です。食品も少なく貧しかった時代の
食卓には、家族の笑顔が並んでいたのではないでしょうか。
============================================================================
◆子守唄にみえる食生活

 霜月師走は忙しい
 正月ゆるりと乳呑まそ  (長崎県)

 わしんとこの子にやりたいものは
 砂糖か饅頭か城の口
 城の口よりあまいものあろか
 親の乳ほどよけあまい  (奈良県)
  
 うちのこの子にやりたいものは
 鰊こぶまき さつまいも  (奈良県)

 ねんねんころりよ ねんころり
 坊やのお家の 母さんは
 ころころ小芋で 飴作った
 甘いとろりの 飴の味
 坊やにあげよか この飴を
 坊やは泣かずに ねんねしな  (福島県)

 ねんねろやあえ こうろころ
 ねんねして起いたなら 小豆まんまさ肴(ゴロ)かてて
 もしもそれがおいやなら 白いままに鮭の魚
 もしもそれがおいやなら 餡ころに醤油団子
 もしもそれがおいやなら たん切りに胡麻ひねり
 もしもそれがおいやなら 菱コに飴玉 麦煎餅
 もしもそれがおいやなら 続きパンコに麦饅頭
 もしもそれがおいやなら 芋コに土芋(ホド)コに里芋コ  (岩手県)
 ※「たん切り」は平たくのばして切った飴のことです。
  「続きパンコ」のことをご存知でしたら教えてください。

 ねんねんや ねんねんねんねんや
 坊やのねた間に ままたいて
 赤いお茶碗に ままよそて
 赤いおてしょに 魚よそて
 おととがいやなら お豆腐やの子
 お豆腐やがいやなら お菓子やの子
 お菓子やがいやなら 蜜柑やの子
 蜜柑やがいやなら 餅やの子
 餅やがいやなら 饂飩やの子
 饂飩やがいやなら やっぱり坊やは
 お母さんやお父さんの子
 ねんねんや ねんねんや ねんねんや  (福井県)
 
 ねんねこうこ ねんねの守りはどこ行った
 あの山越えて 里行った 
 里のみやげはなんじゃった
 赤いお椀に 飯(ママ)よそて
 菜はなんじゃ かっつお汁
 箸はなんじゃ やなぎ箸
 柳が折れたら あさぎ箸
 あさぎが折れたら 竹の箸  (石川県)
 ※「あさぎ箸」は麻がらの箸のことです。

 まだまだ沢山ありますが、野菜と魚ばかりで「肉」は歌われていません。あまり食
べる機会がなかったからと思われます。
=============================================================================
コラム--雨音
 若い頃からの友人が環境問題に取り組んでいて「田植えをしに行きませんか」とか
「小豆畑の草取りに行きませんか」とメールをくれます。泊りがけで新潟の能生へ行
ってきました。畑仕事の途中で雨が降ってきました。雨具の用意はあったのですが、
友人が「菅笠」を貸してくれました。そのとたんに私は童話の世界に入ってしまいま
した。
 
 「おじさんのかさ」(さのようこ作・画−銀河社)のおじさんは立派な傘を持って
いるのですが、傘が濡れるからと雨が降っても傘をささない人です。ある日公園のベ
ンチに腰掛けていると雨が降ってきました。小さな女の子と男の子が一つの傘に入っ
て「あめが ふったら ポンポロロン あめが ふったら ピッチャンチャン」と歌
いながら歩いて行きました。おじさんもつられて傘を開いてさしてみると「あめが 
ふったら ポンポロロン・・」だったのです。長靴をはいて歩いている人の足元から、
ピッチャンチャンと聞こえてきます。上からも下からも楽しい音が聞こえてきます。

 菅笠に落ちる雨粒はポンポロリン、長靴の足元からはピッチャンチャンでした。ま
さに私は「おじさんのかさ」の中にいたのです。
 菅笠が欲しくなりました。都会でも同じ音が聞こえるでしょうか。
===========================================================================
編集後記
新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
「童神ワラビガミ」で目覚めている毎日ですが、この半年は仕事に追われて子守唄の
ことは何も出来ませんでした。でもそれもあと数ヶ月のこと、この3月で定年です。
まだ働くことはするのですが、仲間との楽しいおしゃべり付きです。子守唄を尋ねる
旅も始めます。
============================================================================
このメールの配信を今後希望されない方は、お手数ですが、次のURLから配信
中止の手続きをお願いします。
http://komoriuta.cside.com/nenneko/koudoku.html
----------------------------------------------------------------------------
●子守唄研究室

・ホームページアドレス
http://komoriuta.cside.com/
・メールアドレス
komoriuta@cside.com

============================================================================

<<次の号 前の号>>


戻る