子守唄研究室
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ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信14号
日付:2004/11/22(月)

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 ねんねこ通信 14号  2004.11    http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●災害と赤ちゃん

●嫁入り道具

●コラム--アメ買い幽霊ー墓地から赤子の泣き声

●編集後記

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◆災害と赤ちゃん
 10月23日の夕方、大きな揺れを感じ急いでテレビをつけました。震源地は新潟
でした。都内で感じた想像以上の規模の地震でした。新潟県中越地震と名付けられい
まだに余震が続いています。被災された方々のご苦労はいかばかりかと、推察するこ
としか出来ませんが、赤ちゃんを抱えた家族については、その大変さは思考の外です。
 普段の生活でも不都合を感じることの多い子育てです。既製の離乳食や紙オムツな
どがあり、便利になったとはいえ、充分に水(お湯も)が使えないことの不便さは、
親にとってストレス以外の何ものでもないでしょう。
 泣くこと以外に救援信号を出せない赤ちゃん達も、被災者の一人です。充分な支援
が受けられるよう願ってやみません。
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◆嫁入り道具

 ねんねこさいねこ 床屋の子
 床がいやなら嫁入りせ
 嫁入り道具になにやろに
 櫃ヒツに箪笥に挟箱
 も一つ添えてやれ 夜着ふとん  (香川)

 ねんころ ねんころ さんころよ
 酒屋で生まれた お子じゃもの
 盃もて来い酒飲ましょ
 酒がいやなら乳飲ましょ
 乳がいやなら嫁入りさせよ
 嫁入り道具はなになにか
 箪笥 長持 挟箱
 ついでに白木も買うてやろ  (岡山)

 ねんねんころりよ おころりよ
 大きくなったら 嫁にやる
 金襴どんすの 帯しめて
 長持 箪笥 長つづら
 千石船に 積んでやる
 これだけ持たせてやるからに
 必ず戻ると 思うなよ
 父さん 母さん 胴欲な
 千石積んだる 船さえも
 風が変われば 出て戻る  (静岡)

 
 坊やのお守はお嫁入り
 お嫁の仕度はなになにぞ
 箪笥 長持 挟箱
 品々揃えてやるからに
 二度と戻るな これ娘
 お母さんお母さん そりゃ無理だ
 千石積んだ船でさえ
 風にあわなきゃまた戻る
 私もそれと同じこと
 縁がなければ帰ります  (高知)
 
 「箪笥・長持・挟箱」は嫁入り道具の定番のようです。他に兵庫、島根、鹿児島、
福島、千葉、長崎、愛媛、山梨、広島、福岡、熊本、佐賀、徳島、宮城、福井、鳥取、
長野、東京など、まだ他にも探し出せると思います。持ち物は他に、香箱・鏡・小袖
・針箱・鼈甲の櫛・琉球包などがありました。「挟箱」は外出する時、衣服や道具を
入れて棒を通して、供のの者に担がせて運ぶための箱です。
 静岡・高知の歌詞の中で、親の言葉に反発していますが、面と向かって言えないこ
とをサラリと言えるのは、やはり子守唄だからでしょう。結婚相手を自分の意思で決
めることなど出来なかった時代、したたかな女性の姿が垣間見られます。

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コラム
 アメ買い幽霊ー墓地から赤子の泣き声
 (財)女性労働協会の保育サービス講習会から発足した子育て支援の自主グループ
は、活動して10年になります。7月には東京のグループが、10月には福岡で創立
10周年の記念パーティーがあり、お祝いに行ってきました。
 福岡と言えば博多どんたくや大宰府天満宮のうそ替えなど、全国に知れられていま
すが「アメ買い幽霊」の話もここにありました。中央区天神にある安国寺の地蔵堂で
8月に「産子女ウブメ祭り」があるそうです。
 『この寺の近くにアメ屋があり、毎晩深夜になると表戸をたたき、アメを三文買い
に来てはスーッと音もなく帰って行く。不思議に思った亭主が後をつけてみると、女
は安国寺の墓地に入って行った。そこにはまだ新しい卒塔婆が立っていて、地下から
赤ん坊の泣き声がかすかに聞こえてくる。埋葬された妊婦が赤子を産み落とすが乳が
でないので母の執念が幽霊となって、乳の代わりにするアメを買いに現れたのだ・と』
 母親の優しさ、強さを物語っています。
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編集後記
秋は様々なイベントがあり、資料を整理するまとまった時間が取れませんでした。
あちこちにメモしておいたものが見つからず、もう紅葉の季節になってしまいました。
 福岡から少し足をのばし阿蘇へ行きました。激しく噴煙をあげている様子は「火口
は生きている」という表現にぴったりの光景でした。草千里は見事なススキの原にな
っていました。ゆったりと温泉を楽しんでもきました。「忙中閑あり」日々これ好日
と仕事も楽しんでいます。
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