子守唄研究室
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ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信13号
日付:2004/9/12(日)

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 ねんねこ通信 13号  2004.9    http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●ジェンダーフリー

●花嫁人形

●コラム--離乳食

●編集後記

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◆ジェンダーフリー
 「性」の呼び方のひとつがジェンダーです。社会的・文化的な考えが基になってい
ます。「男はこうあらねばならぬ」「女はこれをしてはいけない」などと、昔からの
風習を押し付けるような社会を変えていこうとしているのは世界的な傾向です。
 8月の新聞に東京都教育委員会が「男女混合名簿禁止」「ジェンダーフリーの用語の
教育現場からの排除」の通達を出す方針だ、と書かれていました。一瞬目を疑ったの
ですが、ジェンダーフリーの考え方は良くないと言うことらしいのです。どこか間違
った思い込み違いをしているとしか考えられません。押し付けでない男らしさや女ら
しさも大事にしながら、女性も男性もみんなが「その人らしい生き方が出来る」その
考えがジェンダーフリーです。
 歴史が評価するでしょうが、通達を出す前にもう一度考えて欲しいと思います。
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◆花嫁人形
 
 きんらんどんすの帯しめながら
 花嫁御寮はなぜ泣くのだろう
 
 文金島田に髪結いながら
 花嫁御寮はなぜ泣くのだろう

 あねさんごっこの花嫁人形は
 赤い鹿の子の振袖着てる

 泣けば鹿の子のたもとがきれる
 涙で鹿の子の赤い虹にじむ

 泣くに泣かれぬ花嫁人形は
 赤い鹿の子の千代紙衣装

 この詩は美人画の人気作者「蕗谷虹児フキヤコウジ(1898-1979)」の作ですが、
彼が絵の勉強のためにフランスに行っている間に、杉山長谷夫によって作曲されてい
たというエピソードが残っています。
 虹児が14歳の時、29歳で亡くなった美しい母の面影と、もうそれ以上絶対に歳
を取らない母の思い出がこの詩の基になっているようです。当時の女性(母)達がお
かれた境遇を感じ取っていたのでしょうか。
 この歌は子守唄の分野には入っていませんが、時折、紙の着せ替え人形で遊びなが
ら口ずさんでいた、幼い頃の私を思い出させてくれる好きな歌の一つです。

「嫁入り」の風習は地方によって様々です。

 かっこん かっこん
 かっこん馬車 どっからはやった
 東京吉原 仲の茶屋
 仲の茶屋から 嫁が来る
 嫁は何時来る 晩に来る
 晩に来るから 門あけろ
 門の外へと 出てみれば
 大きなてばだき 唄で来る (茨城県真壁郡明野町)

 晩という時刻は10時頃で、台所から入って祝言の座につくと言うのが一般的な風
習でした。「夜」という理由は、農作業など一仕事終えて、みんなでお祝いをしたか
らでしょうか。次号は嫁入り道具について知らべてみます。
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コラム
 離乳食
 今から100年前「小児には、徳育よりも智育よりも、体育よりも食育が先。体育
・徳育の根源も食育にある」と、食育活動をしていた文献が残っています。当時とは
比較にならないほど食をとりまく環境は変わっています。食べることは命につながり
ますから、昔は赤ん坊が乳以外の食物を初めて口にすることを「お食い初め」と言っ
て、お祝いをしたものです。
 厚生労働省の調査によると、生後5ヶ月で83%が離乳食を開始し、1年2ヶ月で
87%の乳児が離乳食を完了しているそうです。離乳食については、手作りか市販品
を使うのかは、各自の事情によるでしょうが、「物」よりも「食べさせ方」が重要な
事だと思います。
 ちなみに、現在市場に出回っているベビーフードは約580種類あり、昨年の販売
金額は345億円だったそうです。
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編集後記
何年振りでしょうか、保育で8ヶ月の赤ちゃんをおんぶしました。お母さんの背中
からそのまま受け継いだのです。負ぶい紐とは言えないリュック様式のそれは、小柄
な私の肩巾からずり落ちそうなサイズでした。保育仲間とひとしきり「負ぶい紐」が
話題になりました。「一反の晒しを使った時代もあったのよねー」と。
 30分後、赤ちゃんは私の背中でスヤスヤと眠ってくれました。
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