

タイトル:ねんねこ通信12号
日付:2004/7/4(日)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ねんねこ通信 12号 2004.7 http://komoriuta.cside.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎目次
●合計特殊出生率1.29
●間引き
●コラム--[ニュースの誕生]
●編集後記
============================================================================ ◆合計特殊出生率1.29 年金問題でこの数字が話題になりました。出生率とは、女性が一生の間に出産する 子どもの平均人数(死産を除く)です。各年齢別の数値を合計したものが「合計特殊 出生率」になります。平成15年度の数値の内訳を紹介します。 15〜19歳(0.0280)、20〜24歳(0.1892)、25〜29歳(0.4491) 30〜34歳(0.4334)、35〜39歳(0.1679)、40〜44歳(0.0014) 45〜49歳(0.0006)。15歳及び49歳にはそれぞれ14歳以下、50歳以上を 含んでいます。 あの年金法案審議の過程で、1.29の数値は知らされていたようなのですが、なぜか 1.32の数字を使って年金制度改革関連法は可決、成立されました。 1975(s50)年に1.91になってから、低下傾向が続いています。 =========================================================================== ◆間引き
オワイヤレ オワイヤレ 山形の弥兵衛 女房(おかた) お坊コ産(な)すとて 蕪(かぶ)なして 親爺に見せねで 煮て食った 親爺おこって鉈(なた)ふった 女房たまげて 医者よばた 医者またたまげて逃げてった (山形県・置賜)
こいし粉河に 子が捨ててある どこの捨て子ぞ おろし子ぞ (奈良県)
可愛い子じゃとて おろいて捨てりゃ 川原柳の根をこやす (兵庫県)
一で長岡大工町の 塩やの息子は正三郎 なんぼ我が子でなければとて 布団にからんで帯しめて 戸棚に入れて錠かけて 息がこもって死んだなら その事お上に聞こえたら 下にはちりめん長じゅばん 上には白むく着かさね 蛇の目傘ちょっとさして 金のかんざしさしかけて 天をみれば雲がでる あの雲がじゃけんにあらわれた (福島県)
間引きを「殺産子」「押し返し」「子返し」といって、近世の人々があまり罪悪感を 持たかったのは、彼岸からこの世に来た幼い魂を、神のもとへ再び返すだけで、若い 魂はすぐ再生すると信じられていたからだと言われています。 その命の線引きは「明かりを見せる前ならば」「泣き声を立てる前ならば」殺した 事にはならない、ということなども伝承されていました。しかし、一方では間引きや 堕胎を罪とする感覚が、政策のもとで世間に生まれ始めていた事は確かなのです。 「赤子押返しの禁令」が、元禄4(1691)年4月19日付で仙台藩から出されてい ます。 我が子を殺さなければならなかった女性達も、自分の意思では何も決められなかっ た時代ですから責めることはできませんが、不衛生な環境での出産は本人の命も危ぶ まれることもありました。気に病んで立ち直れなかった人もいたそうです。
============================================================================= コラム [ニュースの誕生]―かわら版と新聞錦絵の情報世界――東京大学出版会―― 探し物をしていて手にした本をめくっていたら「小金井村おかんの継子殺し」の文 字が目に入りました。私の解釈で文面を紹介します。
頃は嘉永7(1854)年4月上旬、武州小金井の百姓庄右衛門の後妻おくわんと言う 者が、常々7歳になる継娘をじゃけんにしている。手習いにいかせた後から毒弁当を、 持っていこうとしたがせずに、どうしようかと思案した。家に帰らせないように留め ておいたのだが、幼い子どもなのでいつの間にやら帰ってきてしまった。大がまに湯 を沸かしていた。娘を取りおさえ無残にも湯の中へ打ち込み、知らん顔していた。手 習いの師匠が後からやってきた。只ならぬ様子なので、この事を庄屋に届け詮索した ところ、とうとう継娘を釜茹でにしたことを白状し、ことの成り行きがわかった。 よって、紙面にて公表し高覧に備えるのです。 昭和に入っても「貰い子殺し」がニュースになったことがあります。中絶が禁止さ れていましたので生まれた子どもを養えない家庭では、里子にだしたりしていました。 時の政府は、里親に対して物資や金銭の支援をしましたので、それを逆手にとって、 お金だけ貰って後で子どもを捨てたり殺してしまう人がいたのだそうです。 =========================================================================== 編集後記 この頃、気象が変だと思いませんか。5月に台風が来たり、梅雨らしくない梅雨で この季節に似合うアジサイが水不足でしおれているのです。でも、20年近く栽培を 繰り返している「ツタンカーメンのえんどう」は、ツルが伸び花が咲きサヤが5〜6 個成長しています。さすがに生命力のある植物だと、この様子を見る度に感心してい ます。 今年は夕顔も植えました。屋上に置いてあるので水やりが大変ですが、夕暮れ時か ら開く白い優雅な姿は、見る人の心を癒してくれます。咲くのが楽しみです。 ============================================================================ このメールの配信を今後希望されない方は、お手数ですが、次のURLから配信 中止の手続きをお願いします。 http://komoriuta.cside.com/nenneko/koudoku.html ---------------------------------------------------------------------------- ●子守唄研究室
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