

タイトル:ねんねこ通信11号
日付:2004/5/12(水)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ねんねこ通信 11号 2004.5 http://komoriuta.cside.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎目次
●国民年金
●賽の河原で石を積む
●コラム―賽の河原和讃
●編集後記
============================================================================ ◆国民年金 40数年前、私が国民年金に加入した時の1ヶ月の保険料は100円でした。結婚 しても自分の年金を払えるくらいは働いていたので、任意加入で支払い続けていまし た。その時は1650円でした。2700円、3300円と支払っているうちに制度 がかわり、サラリーマンの妻は支払い免除になりました。個人として払い続けたいと 申し出たのですが、論外なことでした。 夫の都合で数回、第3号被保険者から国民年金に切り替えもしました。その後、私 も自営から雇用されて働くようになり、厚生年金になりました。 家族単位・夫婦単位で考えることは日本の伝統的な良い点ですが、将来に続く制度 を決めるときは、妻は夫の付属者ではなく、一個人として扱って欲しかったと今でも 思っています。 ============================================================================ ◆賽の河原で石を積む
子育て地蔵とか子守り地蔵と呼ばれるお地蔵様が、少し前までは町の横丁や村の道 端で目にすることが出来ました。(コラムを参考にしてください) こんな子守唄が各地に見られます。
賽の河原を眺むれば 黄金づくしの地蔵さんが 数多(アマタ)の子どもを引き連れて 日にち毎日砂遊び 一条積んでは父のため 二条積んでは母のため この山無情のつつじ花 一枝折りては神にあげ 二枝折るまに日が暮れて 父母恋しと泣いている 泣くな嘆くな幼子よ 七月半ばの十五日 みんな残らず連れていく みんな残らず連れていく (福岡県久留米市)
さぶや北風、可愛や子ども 賽の河原で石を積む 積んだと思えば鬼がでて 壊しゃよけ積む、積みゃ壊す (岐阜県)(愛知県)
寒や西風、可愛や子ども 賽の河原で石を積む 一つ二つは母上のため 三つ四つは父のため (三重県)
あの子かわいそな、二つや三つで 賽の河原で石を積む 石を積んだり砕いてみたり 折に父母尋ねたり (和歌山県)
寒いや北風 かわいや子ども 賽の河原で石を積む (兵庫県)
このような唄は東北地方に多いのかと思って調べたのですが、見つかりませんでし た。どこかにあったのかもしれませんが、採集されていません。民俗史などからも捜 してみたいと思います。 ============================================================================= コラム 賽の河原和讃 室町時代の御伽草子に、富士の人穴探検に行って六道めぐりをする話があります。 まず賽の河原を見せんと立ち給う。この河原に二つ三つ七つ八つ十二十三の幼きも のどもが、幾千万とも数しらず並居たり。かの河原に幼きものが石塔を組みあげて置 けば、悪風出でて吹き散らす。それを集めて積まん積まんとする所に、かたわらより 火炎出て、石も河原も炎にもえければ、幼きものども、炎の苦患の悲しみ、逃げんと すれども、逃げもやられず。父よ母よと叫べども、その甲斐もなかりけり。さて炎に もえて白骨となる。ややはるばる有りて、地蔵菩薩は錫杖をもって、かきよせかきよ せて、文にいわく、「現在未来衆、白骨慰懃附嘱、如来一言、不定墜在諸悪道」と、 この文を称え給えれば、元の形になりにけり。
このような思想を基盤にして「賽の河原和讃」が作られたそうです。中世の初め頃 までは、貴族社会でも7歳くらいまでの子どもの死には仏事を行わず、遺体を山野に 捨てるのが通例だったので、人間の心情として弔う気持ちを表したのではないでしょ うか。迷える子ども達を守護するものとして、お地蔵様が登場したのです。 巡りめぐって子守唄として歌われるようになったのも、民間信仰の流れからでしょ うか。 地蔵信仰(速水侑著ー塙新書)より ============================================================================= 編集後記 このところとても忙しかったのです。長男のお嫁さんになる人のウエディングドレス やお色直しのドレスを作っていました。私は以前、洋裁を職業としていたのです。 ジューンブライド。手作りのドレスを着てくれる花嫁さん。当日が楽しみです。 ============================================================================ このメールの配信を今後希望されない方は、お手数ですが、次のURLから配信 中止の手続きをお願いします。 http://komoriuta.cside.com/nenneko/koudoku.html ---------------------------------------------------------------------------- ●子守唄研究室
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