子守唄研究室
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ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信66号
日付:2014/2/21(金)

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 ねんねこ通信 66号  2014.2    http://komoriuta.cside.com/
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◎目次

●第22回冬季オリンピック

●奈良県の子守唄

●コラム−お水取り(東大寺二月堂修二会)

●編集後記
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◆第22回冬季オリンピック
 2月6日にロシアのソチで開会式が行われました。それぞれの国の期待を背負った
選手たちが、イベントに見入っていました。誰もがメダルを目指しているのですから
、大変な重圧を感じていることでしょう。そこで頂点に立つことがいかに難しいこと
か、テレビを通して見えてくる表情から、少しですが読み取ることができました。そ
の緊張がプラスになるのかマイナスになるのか、人知の及ばない何かがあるようで、
数々のドラマが繰り広げられました。
 特に気になったのがフィギアースケート・ショートプログラムの浅田真央さんの演
技でした。見ていて「いつもと違う」と感じたのは私一人ではなかったと思います。
フリーでは本来の力を発揮して6位入賞を果たしましたが、本人が一番悔しい思いを
していることでしょう。「オリンピックには魔物がいる」などと言われることがあり
ます。本当に居るのかもしれません。
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◆ 奈良県の子守唄
 
 泣くな泣くな 泣くなよ 泣いたらとんびにつままれる
 泣いたら小鷹につままれる
 こうって眠れ こうって眠れ こうって眠れよ
 寝いれ寝いれねしょの子(女の子) 起きれ起きれ男の子
 うちの赤ちゃんの 誕生日には 赤飯炊いて
 一生この子の まめなよに
 うちの赤ちゃんは もうつい寝てよ 誰もやかまし 言ってくれな
 ※「こうって」は赤ちゃんの寝息のことです。

 ねんねころいち きょうはこの子の 二十五日
 赤いご飯炊いて 誕生祝いましょう
 あの子偉そうに 塗りげたはいて
 親は一合の 米買に
 ※初めの2行はどこでも唄われている内容ですが、後の2行には皮肉がこもってい
  ますね。

 ねんねしなさい おやすみなさいよ 鳥が鳴いたら 起きなさいよ
 守りが憎いと 破れ傘ささせよ かわいいわが子に みなかかるよ
 奉公する身と 千石橋はよ 金につられて 苦労するよ
 ※終わりの1行は、子守奉公の辛さを千石橋に例えていますが、この橋がどこにあ
  るのか、どんないわれがあるのか分かりません。

 つぎの3つは「お嫁さん」についてです。
 
 ここの嫁さんいつもろた 三月三日の晩もろた
 鰯三匹 酒5合 新米藁で祝てやれ ぼんぼんぼん
 ※ささやかですがお祝いされています。

 ここへ来るとき二十で来たが 三十過ぎたら去ねいねと
 いねとおっしゃればなん時なりと
 お鉄獎(おはぐろのこと)はがして 振袖着せて
 もとの二十にしてかえせ
 ※10年で離縁されたのでしょうか、されそうなのでしょうか。もとの二十にかえ
  すことは出来ないのできっと居座ったのだと思います。昔の女性も強いですね。

 よんべもろた花嫁は 西も東もよう知らん
 そんな嫁なら去んでくれ わしのいぬ道よう知らん
 田んぼの道まで送って 田んぼの道で日が暮れて
 弟の宿い泊まろか 兄貴の宿い泊まろか
 弟の宿い泊まって 朝早起きて東山見れば
 猿が三匹とまって 真ん中の小猿はものよう知って
 鯰川い飛び込んで鯰一匹捕らえて
 手で取んのもかわいし 足で取んのもかわいし
 たのみですくって線香でいのて うちい持って帰って
 くっくっと洗って きしきしと切って ぐつぐつと炊いて
 お前も一つ 私も一つ ようよう一こんつきました
 ※これは遊ばせ唄のようです。毬つきなどするときに唄ったのでしょう。

 「色黒」について唄われているのを見つけました。
 ・色の黒いのに紅白粉は、春の焼野の薄雪よ
 ・色は黒くても椎茸さまは、いつもお平の上置きに
 ・色は黒ても食べてみておくれ、わしは大和のつるし柿
 ・色の黒いのは豆そでかわい、痩せりゃ貧そでなおかわい
 ・色は黒くても浅草海苔は、白いお餅の肌につく
 ※子守たちは、どんな気持ちで唄っていたのでしょうか。

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◆コラム−お水取り(東大寺二月堂修二会)
 3月12日に行われるの深夜に、若狭井という井戸から観音様にお供えする「お香
水オコウズイ」を汲みあげる儀式が行われます。そしてこの行を勤める練行衆の道明かり
として、大きな松明が使われます。このお松明の燃え残りを手に入れようと、多くの
人々が集まります。ずっと昔、私も何度か出かけました。
 この法会は、現在では3月1日から2週間にわたって行われていますが、もとは、
旧暦の2月1日から行われていたので、2月に行う法会ということで「修二会シュニエ」
と呼ばれました。二月堂の名前もこのことに由来しています。
 「修二会」の法要は「十一面悔過ジュウイチメンケカ」といい、十一面観世音菩薩を本尊と
し「天下泰平」「五穀豊穣」「万民快楽」などを願って祈りを捧げ、人々に代わって
懺悔の行を勤めるもので、前行・本行を合わせてほぼ1ヶ月、準備期間を加えれば、
3ヶ月にも及ぶ大きな法要なのです。
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◆編集後記
 東京でも2月に入って大雪が降りました。まだ降るらしいですね。家の前を少しだ
け雪かきしました。雪って重たいですね。屋上の植木はすっぽりと雪に埋もれて、可
愛い箱庭のようでした。そんな雪にも負けず、ミモザの蕾が膨らんできました。
 大学の受験期でしたので、関係のある人にとっては、気が気ではなかったことだと
思います。交通機関が大きく乱れましたからね。
 この大雪でいまだに孤立している集落があるとのニュースです。山間部は高齢の方
が多いので、除雪も大変だと思います。春よ来い!!
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