

タイトル:ねんねこ通信45号
日付:2010/8/22(日)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ねんねこ通信 45号 2010.8 http://komoriuta.cside.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎目次
●戦後65年の夏 ●伊予の国・愛媛県の子守唄
●コラム−道後温泉
●編集後記
============================================================================ ◆戦後65年の夏 8月に入ると決まったように戦争に関することが、メディアで扱われます。第二次 世界大戦の参戦国の中で日本は8月15日を終戦日としていますが、ポツダム宣言に 署名した9月2日が本当の終戦日と言えるのではないでしょうか。7月26日に出さ れたこの宣言を、日本政府は黙殺しました。いまさら悔やんでも取り返すことは出来 ませんが、早く受諾していれば、広島や長崎への原爆投下や占守島の戦いもなく、大 事な命を落とさずにすんだ人達が大勢いたことは確かです。 生々しい映像を見せられると、今でも目をそらさずにはいられません。戦争自体が 愚かな事ですが、それが分かっていながら繰り返されているのは、人間の性(さが) がそうさせるのでしょうか。業(ごう)なのでしょうか。 行方不明とされた高齢者、その年金の不正受給。平和の中にある社会の歪みが顕著 に現れてきました。命を大事にしなければ。あの戦禍を生き抜いてきたのですから。 ============================================================================ ◆伊予の国・愛媛県の子守唄
大やぶ 小やぶ (眉毛 まつ毛) 光り窓に 蜂の巣 (目 鼻) 碁石に ぼた餅に (歯 頬) きいくらげ きいくらげ (耳 ) 大人が幼児に向かい、自分の顔をさわらせて遊ぶ「遊ばせ唄」です。
親指眠れ さし指も 中指 紅指 小指みな ねねしな ねねしな ねんねしな 子どもの手をとって、1本1本指を折りながら眠りに誘っています。同時に指の名 前も教えて入るのです。
ねんねんさんねん 酒屋の子 酒屋のかみさん 子がのうて はつかねずみを つかまえて さかやきそって べべ着せて ぜんぜんを三文 持たして 油揚買いに やったなら となりのとなりの どら猫が 頭からモジャモジャと かんでしもたア ねんねんせエ ねんねんせ 子のいない夫婦が動物を子どものように可愛がる話は、多くの地方に見られます。 その結果のほとんどが、それより強い動物に殺されてしまっています。現代のペット の扱いに似たところはありますが、「子どもがいない」と言うところが大きな違いで しょう。
ねんねんころりの やぐらの子 やぐらのお守は どこへいた あの山こえて 里へいた 里のみやげに 何もろた でんでん太鼓に 笙の笛 それをもろうて 何にする 吹いたりたたいたり して遊ぶ ねんねんころりや おころりや その子が十五に なったなら 屋敷を開いて 倉たてて 倉の回りに 松植えて 松の木陰で 昼寝する ねんねんころりよ おころりよ 前半は「江戸子守唄」の類歌です。子どもが生まれると、その子のために何らかの 木を植えて、嫁入りの時の道具を作る内容がほとんどでしたが、ここでは「木陰で昼 寝をする」と言っています。初めて出てきた言葉です。 ねんねんやあ ねんねんやあ 寝たら母ちゃんに連れてゆく 泣いたら狼がとっかこむ 狼にかまれてきょう七日 七日と思えばお十五日 お十五のお寺へまいろとて 隣のおばさん 帷子一枚お貸しんか あるものないとゆてお貸しんぞ 腹立ちゃぁはらだちや それほどお腹が立つなれば 村前小川へ身を投げて 上から烏がつつくやら 下からえんこがつつくやら 助けておくれや産(うぶ)の神 助けてやったらなにくれりゃ 扇三本 紙三帖 それで足らねば米三升 ねんねんよう ねんねんよう 色々な要素が含まれています。「泣いたら狼に食べられる」と脅し、「お寺参りす るのに着物を貸してほしいと頼んだら、無いと断られた」それに腹を立てて川へ身を 投げた。産神様に助けを求めたら、見返りを要求されたようで「扇・紙・米」を差し 上げようと言っているのです。言葉遊びのようでもありますが、現実も含まれている のかも知れません。 ============================================================================ ◆コラム−道後温泉 日本書紀や風土記などに登場する日本三古湯の一つです(兵庫県の有馬温泉・和歌 山県の白浜温泉)。神話の時代から続く3000年もの歴史を持っています。 昔、足を痛めた白鷺がこの湯で傷を癒し飛び立って行くのを見て、その効能を確認 したとされる伝説が残っています。温泉と白鷺の話はどこでも聞かれますが、道後温 泉では白鷺をシンボルとしています。伊予国風土記には大国主命や聖徳太子の逸話を 始めとして、歴代の天皇と関わりなども残されています。 夏目漱石の著書『坊ちゃん』に出てくる道後温泉本館の建物は、1894年(明治 27年)落成しました。最近の話題では『千と千尋の神かくし』の湯屋は、この本館 がモデルになったことです。 築116年、公衆浴場として使われ、長年にわたる劣化のため大規模補修が必至で すが、その改修方法や手段が難しいようです。全面的な利用禁止ではなく、一部を利 用しながら修復をしているようです。 本館は、1994年国の重要文化財に指定されました。 ============================================================================ ◆編集後記 高知・香川・徳島と巡ってきて愛媛が最後になりました。順番については思惟はあ りません。旅行好きな私ですが、まだ四国に行ったことはなく、行きたいと思ってい てその下調べをしたかったのです。 二宮忠八という人をご存知でしょうか。明治時代の航空機研究者です。彼は飛行器 と名付け、数々の模型飛行器を作成しています。ライト兄弟の飛行機が有名ですが、 忠八は資金がなく実物での実験が出来ず、残念ながら遅れをとってしまいました。晩 年は飛行機事故による犠牲者の多さを嘆き、自宅に飛行神社を建て航空界の安全と殉 難者の慰霊に尽くしたそうです。(愛媛県八幡浜市矢野町出身)
四国お遍路の旅にプラスして、あちらこちらと行ってみたいです。 ============================================================================ このメールの配信を今後希望されない方は、お手数ですが、次のURLから配信中止の 手続きをお願いします。 http://komoriuta.cside.com/nenneko/koudoku.html ---------------------------------------------------------------------------- ●子守唄研究室
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