子守唄研究室
研究室へようこそねんねこ通信子守唄リンク集
研究リポート書き込み掲示板TOPページへ
ねんねこ通信

タイトル:ねんねこ通信135号
日付:2025/8/23(土)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ねんねこ通信 135号 2025.8  https://komoriuta.sakuraweb.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎目次

●天候異常と農作物

●賽の河原和讃

●コラム―賽の河原とは?

●編集後記
============================================================================
◆天候異常と農作物
 このところニュースで取り上げられていて気になっているのが、お米の問題です。
数日前までは、雨が降らず田んぼにひび割れができて稲苗がしおれたり枯れかかって
いる映像をたくさん見ました。その数日後、豪雨で水没している稲穂の映像です。あ
まりにも極端なので何と言っていいか言葉がありませんでした。野菜類や果実などに
も異常が起きています。年々、異常が通常になってしまうような気配が見えて恐ろし
さを感じています。
 海の海流や温度にも変化があり、その地域で獲れる魚類も変わってきているようで
す。携わっている方々のご苦労が偲ばれますが、これは地球規模で起きていることな
のでしょうか?気候変動という言葉を目にしました。人知で何とかなるものなら、私
達はそれに向かって努力すべきだと思うのですが、地球自体の気候循環が変わってき
ているのなら、耐えるしかないのでしょうか。
============================================================================
◆賽の河原和讃

 寒や北風 かわいや子供
 賽の河原で石を積む
 石を積みゃ鬼が来てこわす
 こわしゃまた積む またこわす    (愛知県)
 
 寒や西風 可愛や子供
 賽の河原で石を積む
 一つ二つは母上のため
 三つ四つは父のため     (三重県)
 
 さぶや北風 可愛や子ども
 賽の河原で石を積む
 積んだと思えば鬼がでて
 こわしはよけ積む 積みゃこわす    (岐阜県)
 
 賽の河原を眺むれば 黄金づくしの地蔵さんが
 数多の子供を引きつれて 日にち毎日砂遊び
 一条積んでは父のため 二条積んでは母のため
 この山無情のつつじ花 
 一枝折りては神にあげ 二枝折るまに日が暮れて
 父母恋しと泣いている 
 泣くな嘆くな幼子よ 七月半ばの十五日
 みんな残らず連れていく みんな残らず連れていく    (福岡県)
 
 地域によって風の向きが違っています。愛知県と岐阜県は北風ですが、三重県は
西風です。仏教には西方浄土という言葉があります。関係があるのでしょうか。
============================================================================
◆コラム―賽の河原とは?
 賽の河原とは、死出の旅の途中にある河原です。仏教の教えでは人は死ぬと冥途の
旅に出ます。死出の山路を49日かけて歩き、賽の河原に出ます。賽の河原の向こうに
は三途の川があり、対岸に渡らなければなりません。三途の川へ辿りつくのが、ちょ
うど初七日の頃と言われています。
 賽の河原で石積をしているのは、親よりも先に亡くなった子どもです。仏教では親
よりも先に亡くなることは罪とされています。仏像や仏塔をつくることは徳につなが
るとされていますが、幼い子どもはこれらのものを作ることは出来ないので、現世に
いる親のために石を積み上げて幸を祈っているのです。しかし、積み上げても積み上
げても鬼が来て壊してしまいますが、これには意味があり、無意味に壊しているので
はなく、子どもの祈りが親に届いていないからという説があります。親が子どもの死
を悲しみ苦しんでいる間は、子どもは賽の河原で石を積み続けなければならないので
す。唄のなかにあるように、地蔵菩薩が現れて「私を冥途での親だと思いなさい」と
言い、この石積の苦行から救ってくれるという説もあります。
 青森県にある恐山はパワースポットとして有名で、イタコと呼ばれる死者の霊を呼
び出すことが出来る巫女がいます。地蔵菩薩が祀られていて参拝者を見守っています。
新潟県の佐渡市、長野県の御嶽山、山梨県の大菩薩峠などありますが、先日行った山
形県の飛島にも海沿いに賽の河原がありました。
===========================================================================
◆編集後記
 戦後80年、メディアでは色々な情報を発信していました。今更ながら当時の空気の
危うさを、沈黙で過ごさざるをえなかった人々に思いをはせました。
 ロシアのウクライナ侵攻から3年半がたちました。武力で相手を屈服させることが
許されてしまうと、世界平和など望みようもありません。

 極暑の中、皆様いかがお過ごしでしょうか。わが家の屋上は時おり50℃になること
があります。日よけをひろげたり打ち水をしたりしているのですが、元気に乗り切っ
て欲しいと願っています。ジンジャーが咲き始めました!
============================================================================
 このメールの配信を今後希望されない方は、お手数ですが、次のURLから配信中止の
手続きをお願いします。
https://komoriuta.sakuraweb.com/
----------------------------------------------------------------------------
●子守唄研究室
・ホームページアドレス
https://komoriuta.sakuraweb.com/

・メールアドレス
nenneko@komoriuta.sakuraweb.com
============================================================================

<<次の号 前の号>>


戻る